消費税と年金雑感

ビジネスnews+ 年金と消費税スレ
http://d.hatena.ne.jp/ytakano/20080108/1199772343

社会保障】基礎年金:全額消費税で、税率を5%前後引き上げ・無年金者をなくす狙い…日経研究会報告 [08/01/07]
http://www.nikkei.co.jp/news/keizai/20080107AT3S2702G06012008.html
http://news24.2ch.net/test/read.cgi/bizplus/1199659310/l50

消費税を5%に引き上げたとき,駆け込み需要とその後の買い控えが起きて,需要が減り景気後退したのは事実です.では,それは何故かというと,消費税率を上げた効果もありますが,消費税反対論者が買い控えを煽ったという事実もあると思います.共産党などは,消費税率の引き上げに反対しているため,消費税率を10%なんかに上げてしまったら,また,同じ事が起きて,結局,税収そのものが低くなってしまうという自体が考えられます.


基礎年金部分を給料などからの天引きじゃなく,消費税でまかなおうという理屈が出てくる理由は,日経新聞の読者層を考えると想像できます.それなりに給料をもらっているサラリーマンであれば,本案は合理的に思えるため,日経の購読者は賛成する人も多いのでは無いかと思います.しかしながら,年金すら払えていない低所得者層にとって,消費税10%アップは大きなダメージとなることは必死です.義務だからといわれても,払えていない人がいるという事実は間違いないでしょう.


さらに,恐ろしいことは,月14,000円の国民年金が手元に残ったとしても,効用に限界があるため,ちゃんと給与などのある人達が合理的な行動をとり,税率10%になるまえに駆け込みで購入して,その後の買い控えを起こしてしまうのではないかという懸念です.こうなってしまっては,まさに消費税率を5%にアップしたときの二の舞になる可能性が高いのではないでしょうか.


もともと消費税は「社会福祉のために」と言われて導入されましたが,その税収のほとんどは,大企業向け法人税の減税による穴埋めに使われていたという指摘もあります.このような指摘が間違いであるというなら,きちんとIR情報を出してから,税率アップを議論すべきだと感じます.


消費税は税率5%で,他国と比較すると安いと言われていますが,他国は日常生活品には課税していません.日本では,国庫収入のうち消費税がしめる割合は21.8%ですが,税率が高いと言われているイギリスでは22.3%,イタリアは22.3%,スウェーデンは22.1%となっています.消費税を10%にすると,単純計算で国庫歳入のうち35.8%が消費税からとなり,明らかに他国より高くなってしまいます.

ヨーロッパに比べて日本は低い?
http://www.horae.dti.ne.jp/~snzk/q-and-a/q-and-a.htm#e

消費税に関しては,かなり怪しい議論が色々あると感じざるを得ない昨今です.