中古店からとネットからの入手に違いはあるのか?

品切れゲームをニコニコで見ることはゆるされるか?
http://d.hatena.ne.jp/kaien/20080202/p1

知的財産保護というと,どうしても著作者というか流通元や出版元の言う,新たな文化の創出を保護することが一番大切なんだと印象づけられますが,実際には生まれた知的財産である著作物を未来にわたって保存していくことも重要な知的財産保護となります.例えばこの例では,既に手に入らないゲームをニコニコで見ることは道義的に反することなのかと問うているわけですが,これは立派な知的財産保護なのではないかと思います.

5万点が毎年“入手不能な本”になっているとわかります。数年前までは、年間で約4万点が“入手不能になる”と業界ではいわれていましたが、年々絶版になる割合は高まっているといえます。
http://www.ajpea.or.jp/column/column_200701.htm#0226

例えば,書籍なんかは年間で4万点ほどが入手不可能になると言われているそうです.書籍が年々入手不可になるということは,知的創造物にアクセスすることが出来なくなるというわけでして,文化の保護に反することではないかと感じます.しかしながら,現状では書籍等にかかわらず,ネット上で流通させることは違法なのですが,中古販売を行うことは違法となっていません.何らかの要因で,既に手に入らなくなった知的財産物を中古販売店で手に入れることは合法ですが,ネットから手に入れることは違法というわけですが,一体全体この二つの間にどのような違いがあるのかは分かりません.


こういった利用はいわゆるフェアユースと呼ばれる利用形態ですが,フェアユースに基づいた利用ついてもアメリカでは権利者団体からクレームが来ています.このクレームについてレッシグは,結局の処,権利者団体の守りたい物は文化ではなく権利や彼らのビジネスなのだと結論づけています.すなわち,フェアユースで自由に利用される著作物の流通は,彼らのビジネスと敵対するものだからです.


現代の技術を使えば,現代のアレクサンドリア図書館を作り上げることは可能なのですが,制度的,または法的に不可能なわけです.フェアユースを認めず,次々と入手困難となる著作物が増えていくことが文化の保護となるのか,フェアユースを認めて,将来にわたって著作物を保存可能とすることが文化の保護となるのか,もう一度よく考えなければならないと感じる今日この頃です.